重森三明の作品展示

水墨画(紙に青墨)、写真(Cプリント)

2020年制作

8月13日~9月13日(期間中、各週ごとに展示替えあり)

予約観覧制(庭園美術館の見学料金:1000円で同時に鑑賞可能)

※終了しました。


モダン枯山水の庭園を堪能する歴史的建造物の施設・重森三玲庭園美術館において、水墨で描かれた現代のコンセプチュアルな山水画を書院の床の間に展示(表装も作者・重森三明の好みであつらえたもの)。また、その作画プロセスを接写した写真作品を室内に展示します。

この水墨画は紙にたっぷりと水を含ませて描く、「たらし込み」の技法で制作されますが、墨が画面上の水に溶けていく過程で水墨の陰影はその多くが消えてしまいます。通常、制作の過程でしか見ることができない陰影の細部をマクロ撮影し、水墨画から別の新たな作品を生み出します。

水墨画と写真はその日の月齢を考えながら制作されています。写真作品のうち1点は月齢と、制作の日付を新暦(西暦、太陽暦)と旧暦(太陰暦)で表記したグラフィックな作品です。中央部は、変化し続ける月の満ち欠けと不変の太陽の円環を重ねた表現であり、太陰、太陽暦や東洋と西洋の二重性や「ずれ」を暗示しています。

陰陽五行の思想では木、火、土、金、水が相剋と相生の関係を繰り返し、循環します(相剋の順:木、土、水、火、金)。今回のプロジェクトでは、水墨画は「水」。写真は光のアートですので「火」と考えます。水と火は相剋の関係です。或いは、ある作品が別の作品に変化し、循環する形態を他分野に例えるならば、庭園史では理想化された山水が池泉庭園となり、その後、枯山水に発展します。これは科学における、蒸気が水になり、氷に姿をかえる相転移(phase transition)に見立てることが出来ます。

今後、陰陽五行の循環になぞらえるように、水墨(水)、写真(火)、石の芸術(金)、木の建築(木)、庭園(土)へと発展しながら創作を続けていく計画です。


本事業は「新型コロナウイルス感染症の影響に伴う京都市⽂化芸術活動緊急奨励⾦」及び「京都府文化活動継続支援補助金」の採択事業です。


 Summer show 2020 presents Mitsuaki Shigemori's recent works. Working on different art practices, he shows this time ink paintings on paper (hanging scrolls) and photographs in the main room (1789). Hanging will be changed every week (August 13th - September 13th). Generally being interested in Japanese traditional culture, especially Japanese garden, he has recently tried to make a connection with Wuxing (Yin and Yan, Five elements thought).


 Originally very ancient Chinese philosophy, Wuxing idea influenced, helped development of Japanese culture after 5th century. The "Five Phases" are Fire, Water, Wood, Metal and Earth. In the order of "mutual generation", they are Wood, Fire, Earth, Metal and Water. In the order of "mutual overcoming, they are Wood, Earth, Water, Fire and Metal. The system of five elements (phases) was used for describing interactions and relationships between phenomena. M. Shigemori relates ink painting to Water, photograph to Fire as an Art of light.


 Elements on each painting look like stones, garden, islands, countries or planets as expressing micro-macro relations, . Compositions are very abstract, but also precise. Mounting of each painting is selected by the artist. Each painting is realized by Tarashikomi technique (dropping ink on wet paper), developed so much in 17th century in Japan. Dropping ink into water swims, displaces and many traces disappears like real wave. Photographs are witness of disappearance of art work process, in-between time and space. An each series of photographs contains a graphical image of the date of the creation, based on both solar calendar and moon calendar with moon eclipse (changeableness) on sun ring (changeless). From painting to photograph, two different calendar systems, wet and dry etc, we find phase transition, subtle beauty as coincidence of oppositions.


 Following Wuxing interactions, Mitsuaki Shigemori thinks that this presentation (painting/Water and photograph/Fire) would become a prototype of his future new garden project (Earth), passing through stone sculpture (Metal) and wooden architecture (Wood). Five different art practices interact, develop each other.








重森三明の作品展示 02

水墨画(紙に青墨)、写真(Cプリント)

2020年-2021年制作

2021年2月16日~28日(期間中、各週ごとに展示替えあり)

予約観覧制(庭園美術館の見学料金:1200円で同時に鑑賞可能)

本事業は「京都府文化活動継続支援補助金」の採択事業です。

※正式な会期は終了しました(今後、時折り展示の予定です)。


2020年8月~9月にかけて、重森三玲庭園美術館において、現代の水墨画を書院の床の間に展示し、同じ部屋の付書院に関連する写真作品を展示ました。今回はその継続的な活動として、水墨画の新しい作品を3点制作し、また、その作画プロセスを接写し、時間の「痕跡」である写真等10枚を公開します。写真の作品は「たらし込み」で描かれた水墨画の部分を超拡大接写したもので、墨のゆらぎと流れゆく時の記録といえます。これらの記録写真は制作日を表すグラフィカルな暦図とともに展示されます(新暦と旧暦、月齢と日輪の相補性を表しています)。

水墨画の新作のうちの1作品は2020年に展示した5点と関係しています。旧作の第一号が夏至の日(6月21日)に制作され、今作は冬至の日(12月21日)に描かれたものです。石の様なかたちは、陰陽五行の三合の理に従い、水気の三合(子、辰、申)に配置し、対応する干支を抽象的に描いています。また、一年で最も日が短いころですので、表装は地味で暗い印象の裂を選びながらも、再生を象徴する暦でもあることから、一文字にきらりと光る裂を使用しています。

一方、他の新作2点は北斗七星の天空での運行と伊勢神宮の月次祭に着想を得たもので、同じように表装された2点を二副対として同時に展示します。古来より旧暦の6月15日頃、北斗七星は零時(子の刻)に西の空に、正午(午の刻)には対称的に東の空に位置し、12月15日頃は逆に東から西の空に動きます。これは北極星を中心に回転対称の移動を行うものです。今作は北斗七星に合わせて、天空の近くに坐するりゅう座にちなんで、鯉が急流を登って龍と化す中国の故事、龍門獏を石組的に作画表現しています。

二副対の制作の時期は、旧暦6月15日が太陽暦では2020年8月4日満月のころにあたりますので、今作は3日後の立秋(8月7日)に作画が開始され、翌年の立春(2月3日)の頃に仕上げられました。伊勢神宮をはじめ、各地の神社で開催される月次祭はこの北斗七星の象徴的な天空の移動に関係しています。